「快楽とやりがいのバランス」の項を紹介します

前回は「スモールステップ」の項をご紹介しました。

「あなたの幸せの踏み台になる本」では、自分にとっての大切なものをアップデートする参考に、幸せについての思考の型を紹介しています。

その中から、今回は「快楽とやりがいのバランス」についてご紹介します。

[アップデート] 快楽とやりがいのバランスを考える

 ここからは大切なことのアップデートに有効な二つの考え方についてご紹介します。まずひとつめは、快楽とやりがいのバランスを考えることです。

 この考え方は「幸せな選択、不幸な選択──行動科学で最高の人生をデザインする(早川書房)」(著:ポールドーラン)にある考え方で、「快楽とやりがいの法則(Pleasure-Purpose-Principle)」と名付けられています。

 簡単に説明すると、人には快楽とやりがいの両方が必要であり、人それぞれに最適なバランスがあるということです。

 たとえば、テレビなどでバラエティ番組を見たりするのは「快楽重視」の行動であり、勉強などは「やりがい重視」といえるでしょう。そして、これはすべての人に通じる最適なバランスというものはなく、人それぞれに最適なバランスがあります。

 また、快楽重視の行動をずっととっていた人であれば、次はやりがい重視の行動をとったほうが、より幸せを感じやすいとしています。甘いのとしょっぱいのを交互に食べると、味が引き立つのに似ていますね。

 多くの人にはすっと理解しやすい考え方ではないでしょうか。

 ではこの考え方を大切なもののアップデートに役立ててみましょう。あなたがもし私と似ているならば、大切なものがやりがい重視のものばかりになってはいないでしょうか?

 たとえば、

・仕事で成果を出す

・子供をしっかりと育てる

・勉強したい

などです。大切なことです。わかります。新年の目標に英語の勉強などのやりがい重視の行動は入れても、マンガを100冊読むぞ!といった快楽重視の行動はなかなか入ってきません。

 しかし、人それぞれには最適な快楽とやりがいのバランスがあります。だからこそ、大切なものをアップデートしようとしたときに快楽重視の行動を知らぬ間に排除していないか、逆にやりがい重視の行動が少なくなっていないかを考えてみましょう。

 もしどちらかに偏りがあったのであれば、その偏りをすこし戻してみるといいのかもしれません。そして少し違和感があれば、またバランスを調整してみましょう。

大事なのはバランス、そして人それぞれ最適なバランスがあるということです。